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なかなか個人投資家にビジネスの内容を理解していただけない
【ストックウェザー(SW)】「サムシングホールディングス」という会社の名前を見て、なんの会社だろうと思う個人投資家の方も多いのではないかと思います? 貴社のビジネスを教えてください。
【前社長】グループの中核企業であるサムシングの仕事は地盤調査と地盤改良です。直接のビジネスの相手はハウスメーカーさんや工務店さんなどです。
みなさんが家を建てる時に、家の建築を請け負うハウスメーカーさんや工務店さんから地盤の部分を専門的にまかせていただき、調査を行い、問題があれば補強工事をするという仕事をしています。
【SW】対象は家だけですか?
【前社長】ロードサイドの店舗やコンビニエンスストアの仕事もしています。コンビニエンスストアでは、セブンイレブンさんとお取引があります。発注をいただいた際は、店舗に予定されている土地を調査をさせていただき、建物を建てても大丈夫かどうかを確認しています。
また、駐車場の地面がへこんでいたりするところがありますね。そうしたことが発生するかどうかということの調査も行っています。
また、駐車場の地面がへこんでいたりするところがありますね。そうしたことが発生するかどうかということの調査も行っています。
【SW】地盤調査・地盤改良は昔からあるビジネスなのでしょうか?
【前社長】ビジネスそのものは、1968年(昭和43年)に日本で最初の高層ビル・霞が関ビルがオープンしたのですが、その際も相当な地盤改良をしていますので、40年以上の歴史があります。
ところが、私たちが専門としている住宅・店舗はもともと小規模建物の範疇で、作る際に、地面の調査にコストをかけるという発想はありませんでした。
そのうちハウスメーカーさんが住宅作りを工業化されて大量に建設するという時代になると、当然、事故が発生する確率は高くなりました。その結果、小規模建物でも事故のリスクをヘッジするために地盤調査をして、しっかり工事をしなければいけないということが認知され、実行されるようになったのが20年ほど前というところだと思います。
そして、2000年(平成12年)に住宅品質確保促進法(品確法)が施行されました。この市場が大きくなったのはその法律の中に「地盤調査をしなさい」、「建物がちゃんと長期的に安定した地面の上に建っていられるように地面を改良しなさい」ということが明文化されてからです。法律で規制されたことで、その年から住宅もほぼ地盤改良がスタンダードになっていきました。
【SW】言葉は悪いのですがそれまでは住宅の地盤改良にコストをかけなくても良かったということですか?
【前社長】そうです。やらなくてもよかった、ということです。実は「品確法」が施行されても地盤改良は法律的にやらなければならなくなったということではありません。ただし、問題が起こった時にハウスメーカーさんや工務店さんが裁判では負けるという状況になりました。
【SW】大手のハウスメーカーさんは迅ともかく、中小の工務店さんなどではそういう対処がきちんとできているのでしょうか?
【前社長】今では住宅全体の8割程度は地盤調査改良工事が行われていると思います。1割、2割はやっていないということも聞きますが、すでにスタンダードになっていると言っていいと思います。
【SW】目に見えないところですが、仮に住宅を買うとなると基礎工事がしっかりしているかは気になりますし、その下の地盤はどうなのかは目に見えないだけに余計気になりますね。そういう意味では私たちも関心を寄せなければならない大切な仕事ですね。
【前社長】そうですね。ただ、私たちもIRの活動の中で一般的な投資家の方々にどんなことをやっているかを説明させていただくのですが、なかなかビジネスの内容を理解していただけない(笑)。最後の方でやっとなんとか興味を持っていただくという感じで。なかなか難しいですね(笑)。
「地盤の見える化」と画期的な保証制度
【SW】ではこのインタビューでなんとか理解していただいて(笑)。
個人投資家から見ると、それでは地盤改良のマーケットはどのくらいで、今後どうなっていくのだろうかというところが関心のあるところですが。
【前社長】実は住宅の地盤改良はまだ国に「業」として認められていなくて、国から建設業からの許可をもらう時は、鳶・土工に区分されています。あと2〜3年で国から「業」として認められそうだという流れもあるらしいのですが、「業」として認められていないために、国としての地盤改良の統計はまだないんですね。
そこで数字は社内の試算なのですが、だいたい住宅の地盤改良のマーケットは、年間で1200億円くらいだろうと考えています。
数字的な根拠は次の通りです。住宅の着工件数は、今年は改正建築基準法で建築確認の審査が厳しくなったことで減少していますが、通常は、年間110万戸から120万戸くらい。そのうち私たちのターゲットとなるのは一戸建てですから、年間50万戸程度です。調査というのは50万戸すべてが行いますのでだいたい1戸3万円として、50万戸を掛けると150億円くらい。
補強工事は10件調査をすると、だいたいそのうち4件の工事が必要ということになりますので年間20万個程度。だいたい1棟あたり50万円くらいなので1000億円くらい。その二つを足すとだいたい1200億円くらいになりますので、それがマーケットの規模ではないかということですね。
【SW】競合するのはどんな企業ですか?
【前社長】専業で上場しているのは当社だけです。兼業と言うか事業の一つの柱としておやりになっている上場企業が3社あります。
【SW】そうした中で、貴社の強みはどこでしょうか?
【前社長】ひとつは情報をオープンにするということです。地盤を調査するにあたって私たちがお客さんに提供する成果物というのは報告書、データだけなんです。
何せ地面の下のことですから、データというのは極端に言えば作ろうと思えばいくらでも作れますよね。
そこで私たちはそのデータをきちんと開示する、どういう根拠に基づいて、どういうデータを採取したのかを明らかにするということを行っています。
私たちのキーワードは「地盤の見える化」。地盤をユーザー(ハウスメーカーさんや工務店さん)が見えるようにデータを開示します。地盤調査、地盤改良を行った場合は、すべて電子報告書でお渡し致します。地中での作業や工事方法などを3Dの動画と音声でわかりやすく解説し、ユーザーは施主様へも簡単に説明することができます。
また、工事に関しても私たちは地面の中に杭を打ったりするわけですから、お客様に「こんなものができました」と、確認してもらうことができないんですね。
そこで、全ての施工機器にパソコンや専用機器が接続され、施工データを蓄積できる「施工管理装置」というものをつけています。施工管理装置によって、施工状況を数値データとして保存でき、目に見える形で管理でき、そのデータをすべてお客様に開示をしています。例えば、こういう工程を踏んでこういう杭を作りましたと、データを秒単位で採取して、「地盤の見える化」を行い、お客さんに安心を買ってもらっているというわけです。
もう一つが地盤保証制度ですね。保証会社の「ジオ・インシュランス・リサーチ」が、引き渡しから10年間・最大5000万の復旧費用を保証する「THE LAND」という商品名の地盤総合保証制度を用意しています。サムシングで調査・改良工事を行った地盤に関しては、地盤に対する保証、建物の瑕疵に対する保証をしますという形で提供しています。
【SW】貴社に調査を発注するユーザーにとって保証はどんなメリットがあるのでしょうか?
【前社長】「品確法」では10年間、大きな瑕疵があった場合には補修することが求められています。中小の工務店さんにしてみるとこれは非常にリスクが高いものです。例えば地盤の問題で家が沈下すると、復旧コストは1000万円以上かかります。雨漏りがした、ということなら大工さんを呼んで直せるので、そんなに大きなリスクにはなりませんが、家が沈下したとなるとその補修にかかる経費は全部工務店さんの持ち出しになります。10年間もの間、1000万円以上を負担しなければならないかもしれないというリスクを背負うということはたいへんなことなので、そのリスクをヘッジする保証のニーズは非常に大きいですね。
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