勝算は、もちろん100%ありました

【ストックウェザー(SW)】貴社はオフィスコーヒーサービスを日本で最初に始められたわけですが、その海外留学が影響していますか?


一杯挽き全自動コーヒーマシン「DEM-1」(デム・ワン) 【大久保社長】そうですね。
 私たちはオフィスコーヒーサービスを始める前にダスキンの2000社ある販社のナンバーワンになりました。ナンバーワンになれた理由はオフィスを対象にしてお客さんを開発したことでした。
 その頃のダスキンは家庭用が中心だったのに対して、私たちはいち早くオフィスに注目して売り上げを伸ばしました。
 次のステップは独自のビジネスをやろうと、それでは何をやろうかということになり、ダイオーズが得意とするのは今までの経験から言うとオフィスに対するビジネス、それも売り切りではなく継続するビジネスだということでいろいろと議論をしました。
 その頃ちょうどマクドナルドやミスタードーナツなどが日本に進出してきました。特にアメリカンコーヒーがファッショナブルなものとして注目を集めていました。
 当時の日本のオフィスでは緑茶かインスタントコーヒーという時代でしたが、そうした流れの中で必ずこれからはレギュラーコーヒーがオフィスで飲まれる時代が来ると考えたのです。事実、私が行ったアメリカやヨーロッパではそれが当たり前でしたからね。ぜひそれを日本に持ってこようと言うことから始めました。そういった意味では海外に行った経験がそういう発想を生んだといえると思います。
 当時はダスキンの販社としてオフィスのお客様を作り上げるというノウハウを獲得し、それによって人材も育ってきましたし、資金的にも十分余裕があった、そういういくつかの要件も揃ったので始めたということですね。


【SW】今では勉強に行ったアメリカに進出をされて、すでに西海岸ではナンバーワン。全米でも第3位。メーカーさんで海外に出るという例は数多くありますが、こうしたサービス業で海外に打って出るという企業はなかなかないですよね。しかもビジネスモデルはもともとアメリカにあったものですものね。海外に進出をされることにしたのはどういう理由があったのでしょうか?


【大久保社長】最初はともかく夢ですね。アメリカ、ヨーロッパに若い頃にいたので、できれば将来、アメリカで商売をやってみたいなと考えていました。
 それからアメリカに進出したのはちょうど創業して20周年の時だったんです。
 ダスキンの販社としてクリンケア事業の基盤がきちんとできて、日本におけるコーヒーサービスの基盤ができて、では次の3本目の柱を何にするかと言う時にやはり夢であったアメリカに進出できるそういう体制になってきたということですね。


【SW】勝算はありましたか?


ダイオーズ U.S.A.のオフィスコーヒーサービス 【大久保社長】もちろんです。100%です。(笑)。
 アメリカのオフィスコーヒーサービスの業界を一番私が見ていたのですから。日本でこのビジネスをはじめて約30年近く経ちますが、アメリカに進出するまでの間に10年くらいの期間があるんですね。
 この間に年に3回も4回もうちのマネージャーと一緒にアメリカに行き、実際に成功している会社を訪ねました。
 私が若い頃やったように、勉強させてくださいと手紙を出してはアポイントを取りました。もし同じアメリカ人だとこれはなかなか手の内をみせないと思いますが、まぁ、日本から来るんだからいいかなということで(笑)、いろいろと勉強をさせていただきました。
 一方、アメリカでお世話になった方は毎年一回、アメリカからファーストクラスでご夫妻を日本にご招待して、国内の観光をしてもらい、私たちの会社の大会に出て、スピーチをしていただくという形で、毎年一組ずつを招待していたんですよ。これが非常に評判になって、なかなか大久保はちゃんとやるよということになって(笑)、手紙を出すと、ほとんどのところで受け入れてくれるようになりました。

友好的にナンバーワン企業を買収

【SW】デトロイトやシカゴの会社を買われたのは敵対的な買収ではなかったのですか?


【大久保社長】いえいえ、全部友好的な買収です。


【SW】それはいままでのつながりが生きたということでしょうか?


2006年夏に買収したシカゴ最大手のOCS会社 B&F社 【大久保社長】そうですね。デトロイトもシカゴも、買収したのはそれぞれその地区でナンバーワンの会社です。
 アメリカのオフィスコーヒーサービスの
業界でベストオペレーターオブザイヤーの表彰名がサボイ・アワードと言うのですが、サボイさんというのは実は昨年買収したデトロイトの会社の創業者なんですよ。その方が亡くなった後、奥様が社長をおやりになっていましたが、その名が賞に冠せられるくらいの品質の良いサービスをしている会社です。
 シカゴのB&Fという会社もナンバーワンの会社で、これもいままでのつながりの中から買収したものです。


【SW】そういったつながりがなければ、買収も難しかったでしょうね。


【大久保社長】そうですね。それまでの10年間で布石を打ち、みなさんからいい評価をいただいていたので、それが生きてきたということでしょうかね。ですから例えば経営者の方々が「リタイアする時には
オークボに声をかけてあげるよ」などと言ってくれますからね(笑)。


【SW】西海岸の会社はアメリカではマネジメントはすべてアメリカ人でやっていて、日本人は一人、しかもその方は管理部門の方だということをうかがいましたが、それは例えばマニュアルで管理されているということなのでしょうか?


【大久保社長】マニュアルではないですね。向こうのマネジメントをやってくれている人は、この業界の
経験者です。そういう人たちがマネジメントをしてくれているので、きちんと運営されているということですね。


【SW】日本のやりかたを持って行って、これをやりなさいということではないわけですね。


【大久保社長】メーカーですと日本で成功してそのノウハウをアメリカにそのまま持って行き、工場を立ち上げたりしますよね。サービス業というのは国によってあり方が違います。日本で成功したノウハウを持って行けばそれでいいということではなく、現地の独自性を生かしてやっています。


【SW】そうして米国で経営をされて、獲得したノウハウは日本にフィードバックされるということもありますか?


【大久保社長】そうですね。ウォーターサービスは先にアメリカでスタートして大成功しましたので、それを日本に持ってきましたね。


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